1971年7月、マニフェストから刊行された岡庭昇(1942~)の第2詩集。
この詩集に収めた作品は、第一詩集『声と冒険』の後、一九六四年から一九七一年にかけて、「詩学」「現代詩手帖」「ユリイカ」「マニフェスト」「三田文学」などに発表されたものである。私はいっかんして完結した詩的情緒も、言語に依る美の構築も、詩を書くことのなかには求めなかったので、これらの作品は、いきおいばらばらな断片へ自らを追いやりつつ、幻影としてしか現前しない自己の信念の表明にとどまっていることであろう。だが私にとって詩のことぼとは、ひっきょうそのような生を生きるものであり、不確定なこの世界にむけてばらばらに飛び散り、飛び散りつつつき刺さる幻想の刃を担おうとするところにしか存在し得ない。(「あとがき」より)
目次
- 城砦
- 白鼠よけっして
- オフェイリア
- 波止場
- 叫び声
- ジューン ブライド
- あざらし
- 休息しない男のバラッド
- 一九六八年六月十五日
- 立像
- 泥と風車
- 南からきた人よ
- 恐怖論
- 幻想の時代のなかで
- 影の物質
- 場と幻影
- 友よ
- 巨樹について
あとがき