ふるさとは怒りをこめて 赤木三郎詩集

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 1966年4月、飯塚書店から刊行された赤木三郎(1935~)の第1詩集。装幀は渡辺皓司。

 

 詩というものにふれえた作品を書くことは、たいへんなことにちがいない。わたしはどうも、それができなかったように思っている。
 いっさつの詩集は、ひとつの衝撃力を、ふくんでいなくてはならない。わたしの果せなかったものは、あまりにもおおきい。
 ここにある作品は、一九六〇年から一九六三年ころに書かれたものが中心になっている。ほかに、数篇の未発表作品をふくむいくつかの一九六五年の作品がおさめてある。<工場の塀>がいちばん古く、<ぬは・はつえの物語>がいちばんあたらしい。Ⅲには、歌あるいは文工隊のために書かれた作品がおさめてある。本質的にあたらしいものを獲得するということと、わたしたちの民族語法を作り出すというところまで、わたしはいつかゆきつきたいとねがって、いまはきびしい批判のまえにこの詩集をさしだします。
 作品をえらぶにあたっては、畏友、秋村宏さんの親身の助言にたすけられました。また、「赤旗」などで、いくどもわたしをちからづよくはげましてくださった壺井繁治氏にも、あつくお礼を申しあげます。
(「あとがき」より)


目次

  • トレーラーに殺された子 
  • カード 
  • 大炭坑 
  • 手をふるから 
  • 背後から陽が 
  • ぼくらの夏にむかって 
  • 溶けてゆく男 
  • 工場の塀 
  • 沖縄記録 少年非行 
  •  四十号線 
  •  那覇市繁多川 
  •  国場の殿内毛 
  • 沖縄の女 
  • ぬは・はつえの物語 
  •  アメリカ人 
  •  わたし 
  •  捜査官 
  •  隣のおばさん 
  •  わたし 
  •  オンリー 
  •  ミヤギ 
  •  父親 
  •  死体 
  • 愛するものの名前

  • 叫びごえがそのとき 
  • 恐怖の憲兵 
  • 冷酷の儀式 
  • トマス・マコーミックの電話 
  • おまえたちの時間 
  • ギゼンガのはなし 河 
  • チリ 一九六二年一一月二五日 
  • フランコの手先のひとりごと 
  • 自画像

  • 犯されたむすめ 
  • 伊芸区でなにがおこったか 
  • 沖縄古謠からの発想 
  •  くさぶえ 
  •  かあさん かえってきたよ 
  •  耳切り坊主の子守唄 
  •  からす 
  •  アーミードーイ 
  •  ユンタ――小役人の結婚 
  • デイゴの歌 
  • 月夜の漁夫 
  •  ねむり 
  •  蟬のいる林 噂 
  •  戸口 
  •  とかげ 
  •  鉄挺 
  •  酒の後 
  •  からす 
  • ことしのぼたん 
  • 式根島の唄の本 
  •  海難法師 
  •  塩舟頭新八 
  •  娘唄 
  •  首様 
  • 長崎造船―統一して打て

あとがき


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