2002年12月、無極堂から刊行された八代信(1942~2020)の詩集。著者は群馬県生まれ。
この詩集におさめたものは、すべて「方方」に発表した。他に書かなかったわけではないが、散逸というか、ものぐさというか、こういうふうになった。しかし、この間、10年あまりだろうか『方方』に発表したものが、詩人としてのわたし、であるといっていい。おおげさないい方になるかもしれないが、書き手としては、そうした思いできた。
『方方』はわたしをふくめて4名の詩友で、途中で阿部圭司におきた不幸により、一時休んだのだが、そのあとに、黒川洋が加わった。それ以前は、内田麟太郎、阿部とわたしの3名で、天才的な内田と、詩人世界に明るく、東北の暗さともの悲しさを、これも天性に持っている阿部にはさまれて、苦闘(ハッハッハッ)してきた。現在、さらに、ここに黒川洋が加わった。黒川は、存在そのものが詩人であり、そこに、エネルギッシュな記憶力、組織力を持っており、さらにさらに、私は苦闘を強いられつづけた。
それがこれらの作品である。なかには、詩といえない文章があるが、それも、よかろうという『方方』詩友の声で、許してもらうこととした。
ついでにいえば、内田と黒川は、永生きをしそうで、(阿部は、わたしと同じくらいに遠くに行きそうな気がする。)そのうえ、もの書きとしてもてだれ、であるので、何となく、将来楽しみである。
(「あとがき」より)
目次
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
- こいうた
- 9月のわかれ
- 朝顏
- 片言隻句
- 演歌
- 夜のものたち
- たぶん
- 雨
- いとおし
- 夏 あじさい
- うぐいす問答
Ⅳ
- 日々まあ平安
- 日々まあまあ平安
解説・中野界隈的詩人 内田麟太郎
あとがき
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