1970年1月、構造社から限定50部で刊行された阿久根靖夫(1942~)の詩集。版画は佐藤昌宏。
しらしらとけぶり伸びている首都の暁闇の舗道をひたすらに歩きつめた果て ひとつの〈村〉の幻は顕つか 時にひたぶるな額を晒し 時に失職の貌を晒し 棲みならしてしまったこのあじあ・にっぽんの首都 どこまでも堕ちつづける日日の夢・やくざな身すぎ世すぎ の炎える眼瞼にこびりつく泯びの念いを 朔風よ吹け! 独り噛みつづける恨みつらみに黄昏の虹を視すえて さて……
(「跋」より)
目次
第一部 わが幻の…
- わが幻の
- 繋言
- 姿勢
- 飛翔
- 草賊
- 夢の言葉
- 熱禱
- 幻野遊行
- 優しい死
- 夜 樹には死の愛
- 場所
- 落日 もしくは 樹木と幻覚
- 掃魂譚
第二部 抒情の裔
- 抒情の裔
- 風紋
- 眼・焚焼
- 合掌
- 風洞
- 暗転
- 方位
- 非望
- 佇てば自らの影に撃たれて
- なしょなりすとA
- 午時
- 鳥追
- 半醒
- 幻化
- 石の飢え
第三部 朝あるいは…仮眠
- 朝あるいは…仮眠
- 薄明
- 朝の流れ
- 昏夜
- 朝の蛇行
- 出立
- 朝の無言歌
- 朝の夢
- 退嬰的な朝の唄
- 餓え唄
- 過去帳
- ある秋の朝僕は
- 架橋
- 黎明に咏いなずむわが相聞歌
第四部 聖首都
- 聖首都Ⅰ
- 聖首都Ⅱ
- 聖首都Ⅲ
- 聖首都Ⅳ
- 聖首都Ⅴ
- 聖首都Ⅵ
- 聖首都・水無月
- 聖首都・極月
- 聖首都・茫茫
跋