ヴェロニカのハンカチ 中山直子詩集

 1992年10月、本多企画から刊行された中山直子(1943~)の第2詩集。新詩篇第2巻。著者は東京生まれ、刊行時の住所は横浜市港南区

 

 かつて伊東静雄に敬慕の念をいだいているというだけで若年の私を受入れて下さった『果樹園』になつかしく感謝の思いを捧げると同時に、その後『河』で長く私を育てて下さった上村先生御夫妻と『河」同人・「河』会員の皆様に心から感謝致します。それから私は大人になり結婚し『河』に書き続ける間に子供たちが生まれ成人しました。
 上村先生は『河』の締切日になると諫早から電話を下さり、「ナオコさん、イサハヤ!」と呼ばれます、「作品送られた?」と。この声に励まされて私は詩を書き続けることができたのです。ここに
 集めた詩はすべて『河』に発表させていただいたものです。この度この詩集をまとめるにあたり、先生は身にあまる序文を下さったばかりでなく、すべての詩稿に目を通し、ところどころ朱を入れ、目次まで作って下さいました。本当にありがとうございました。
 そして詩集の題について迷っていた時、私自身よりも私の心をよく言いあて、「ヴェロニカのハンカチ」とつけて下さった本多寿様をはじめ、つたない私の詩集のために労して下さいました本多企画の皆様に心から御礼申し上げます。
 また山の上教会の兄弟姉妹に、最後に夫と三人の子供たちに感謝致します。彼らによって私の人生は真に生きた詩となり、美しくゆたかに彩られたのです。
(「あとがき」より)


目次

序 上村肇

一 小鹿の夢
二 小鳥の小道で
三 風景
四 夏のおわりのうた
五 都会のたそがれ
六 荒れ地の空
七 水無月
八 荒れ地の春
九 荒れ地の風 時はみちる
一〇 錆いろの砂のさかなよ
一一 冬の落日
一二 過失
一三 春の入江
一四 山鳩
一五 修道院の秋
一六 冬の道
一七 ネヴァの河波
一八 秋の貴婦人
一九 雪より白く
二〇 ばらの咲く朝
二一 時の中の秋
二二 冬の日の夢
二三 声
二四 ひまわり
二五 角度
二六 エニシダ
二七 生命について
二八 柳
二九 光について
三〇 春の祝祭
三一 不思議について
三ニ 北風よ
三三 私は広い世界にいる
三四 しんじゅ色の雨
三五 みどりの丘に
三六 少年は朝の光の中に
三七 模型飛行機
三八 私の心はふるえる
三九 青い空
四〇 光る海の国へ
四一 丘の上に青い空があって
四ニ コンビナートの秋
四三 教室
四四 入学式
四五 バス
四六 エルベの白鳥
四七 飛行機雲
四八 靴
四九 はやて
五〇 運動会
五一 四季の歌 
五二 風の中の飛行機
五三 森よ 緑の宝石箱よ
五四 美しい夢
五五 森の小道の雪の上を
五六 スケッチ
五七 海
五八 詩人とばらの木
五九 ある人の猫
六〇 朝
六一 真珠
六二 学校帰りの海沿いの道を
六三 この海の向うで
六四 象牙いろのばら
六五 落書き
六六 数学者たち

あとがき


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