1988年1月、黄土社から刊行された宇佐美善治(1915~)の第2詩集。著者は東京生まれ、刊行時の住所は小平市。
詩集「島への道」から二十年、その間いくたびか詩集をと思案はしたが果し得ず、いま「﨟」をおくる。
収めたものは三十二篇、その大半は本年春以降の試み、他は主として詩誌「山の樹」「桃花鳥」に寄せたものよりの抜粋である。
「﨟續」という表題は冒頭の作品に基ずくが集中の作はこれに拘泥することはない。第一詩集と今回との間隙は、永すぎたきらいは認めるが、いわば蹲坐に似たようなもので、禅語の作麼生(そもさん)的な詰問の状況におかれたわけでなく、もとより精神構造の脆弱性・曖昧性に起因するものでもなかった。
あらためて、生涯の詩友伊藤桂一君の弛まぬ支柱のお蔭によるものと、深甚なる礼を述べたい。
(「あとがき」より)
目次
- 﨟纈
- 彩色図
- 光り絵
- 小さい景
- 梅雨の入陽
- 落葉
- アカシアの花
- 蝶と少年
- 謐(しず)かなる歌集
- ある夜の表情
- 夏日
- 禮
- 釣
- 木のある坂道
- 栗林で
- 薺
- 刑
- 渦巻線香
- 残暑侵入
- 見えない故里
- 箏の音
- 握り鋏
- 一円貨
- 晩夏
- 虚(みな)し友
- 神奇の人
- 開かない窓
- 遮断したもの
- 帰って来た人
- 終りの火
- 川明り
- 辞
あとがき
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